アルコール依存症患者にワインを与えるプログラム。The Managed Alcohol Program, “the pour”, the Oaks in Ottawa, Canada
ここ最近、色々なアルコール依存症患者の海外のドキュメンタリーを見てきたけれど、どれも、壮絶で、鳥肌が立つような物ばかり。
その中で、異質だったのが、カナダのオタワにあるthe Oaksで行われているThe Managed Alcohol Program(The MAP)、通称“the pour”
ここに入所しているアルコール依存症患者達は、何度もこれまでにオーソドックスなアルコール依存症患者再生プログラムに失敗している人達。
そんな、アルコール依存症患者達に、1時間おきにワインを与えているのが、このプログラム。
通常なら、アルコール依存症患者にアルコールを与えるなんて、正気の沙汰かと思われるような対応、しかし、ここに入所しているアルコール依存症患者たちは、これまで見たドキュメンタリーに出てくるアルコール依存症患達とどこか雰囲気が異なる。
何だか幸せそう。
このプログラムを指揮しているドクターは、彼らに酒を与えるのは良くないのはわかっているけれど、あえて酒を与えている。
それは、彼らを落ち着かせるため
アルコール依存症患者からアルコールを取り上げると、たいてい反動で、隠れて飲んだり、最悪、窃盗したり、もっと悪方向にいく、そして、挙句の果てにホームレス化
このthe Oaksに入所している人達は、ほとんどがそうなったアルコール依存症患者たち
地元の警察もこのthe Oaksのおかげでアルコール関連の事件や救急が減ったと太鼓判を押していた。
現在、多くの国で行われているアルコール依存症患者への治療は、はっきり言ってそれほど効果があるようには思えない、80ー90%ほどの患者が1年以内に再度アルコール依存症に戻ると言われている。
さらに、イギリスでの犯罪などで救急病院へ搬送される40%以上がアルコールが関係していると言われている。
このthe Oaksの取り組みは、このようなアルコール依存症患者達が、街にでてトラブルを起こさないようにするための一つの解決策かもしれない。